RELAY ESSAY

八幡平だより 冬の隣人たち RELAY ESSAY 011

末盛 千枝子

Date : 2012 / 12 / 12

 これを書いているいま、全国的にも季節外れの寒波と言われていますが、ここ岩手県八幡平も例年になく早く雪が降り始め、このまま冬中融けないのではないかと思うほどです。土地の人たちも例年は1月になってからこのような状態になるのに、今年は夏の暑さといい、一体どうしたんだろうと言っています。

 車の運転のことを考えると、ちょっと面倒ではありますが、私自身は冬景色が好きですので、家から見える山々を眺めたり、いつもは気がつかない動物のあしあとを雪の上に見つけて、これはだれのだろう、どこまで続いているんだろうと目で追いかけたりする楽しみがあります。

 そして、雪の晴れ間には家の屋根に巣を作っているらしいスズメが何羽もベランダの手すりに並んで、ピーチク・パーチクやっているのです。とても楽しそうです。そして、人の動く気配がすると、あっという間に飛んで行ってしまうのですが、その飛び方が、本当に痛快なほど、まっすぐにどこまでもどこまでも飛んで行くのです。遮るものもないのですから、ずうっと山の方まで飛んで行ってしまうようにさえ見えます。

 そして、いまやっと私が休戦状態に入った相手は、屋根裏に巣を作っているキツツキです。この家は父が亡くなってからは、ほとんどだれも使っていなくて、せいぜい、一年に一度か二度家族の誰かが数日使うだけでしたから、キツツキは自分たちが先住民だと思っている節が有るのです。それで、何かの工事のときに大工さんに頼んで、穴を塞いでもらったのですが、すぐにまたトントントントンと忙しく働き、あっという間に穴をあけてしまうのです。あれ、大工さんはもう終わったはずだけど、というほど、見事な音で穴あけをするのです。私たちはここに引越してきてから、屋根裏を倉庫にしてもらったので、時々上がって行くと、広々としたキツツキのわらのベッドが出来ているのです。何度穴を塞いでもらっても、手に負えないとこちらが観念して、大工さんと相談して、屋根裏をキツツキと住み分けることにしました。つまり、途中に網を張って、そこからこちらにはこられないようにしてもらったのです。これで、たぶん大丈夫ではないかと思っているところなのです。春にはどのようなことになっているでしょうか。

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